修理・再生

「図面のない機材の修理」を得意とする当社は、修理品の用途を十分に理解し、原因を追求し、適切な修理を行うノウハウを持っています。また、機械加工や溶接、組立、製品のスケッチなど、出張作業が可能なため、運搬が困難な大型製品や工期が短く当社工場に持ち込む時間のない製品も修理・再生が可能です。

出張作業

ラインボーリング加工

ラインボーリング加工

ラインボーリングは、主に軸受けや取付穴、通りの精度が重要な穴の摩耗、損傷を修理いたします。修理方法は、溶接肉盛りラインボーリング仕上げやオーバーサイズ加工後ブッシュ挿入仕上げなどがあり、分解して持ち出すことが困難なものは、現地加工を行います。
当社では、船舶、建設機械などの軸受け修理を行っていますが、特に技術が必要とされる案件がアルミ船プロペラ軸受けのボーリング加工です。船体の材質がほぼアルミニウムのため、気温変化で船が膨張。そのため、芯出し作業は船体温度が落ち着く深夜に行います。高い加工精度が必要とされる上、船体温度と外気温度にも規定が設けられており、限られた条件下で加工を行わなければならない作業です。

フェーサー加工

フェーサー加工

フェーサー加工は、フランジ面に歪みや腐食などが発生した場合に、面を削り取る加工です。当社では、新造船のウォータージェット取付面の溶接後の熱による面歪みや、砲台、大型設備・機材のフランジ面腐食などの、面出しの加工作業をいたします。

海洋掘削機メンテナンス

海洋掘削機メンテナンス

石油・天然ガス井(せい)の掘削工事に使用する掘削機のエンジン、設備の保守、メンテナンスを行っています。
掘削機のエンジンには、ドリルを駆動させるためのドロワークス用のエンジンと、掘削中に排出された汚泥を分離する装置に使われるマッドポンプ用のエンジンがあり、双方のエンジンのオーバーホール、メンテナンスを実施。海上での作業は、工具や資材に制限のある厳しい環境ですが、全国各地で対応してきました。

エンジン

エンジンオーバーホール

エンジンオーバーホール

大型バスや船舶、トラック、建設機械、特殊車両、門型自走式クレーン、発電機など、さまざまなエンジンのオーバーホールを手掛けています。エンジンオーバーホールの付随作業である、溶射肉盛り、研磨なども一貫して行うことが可能です。
古いエンジンは、部品の欠品やボルトの折れ込み、ねじ穴の破損など困難な作業ですが、当社は機械加工や溶接も得意とするため、部品製作を想定した修理・修正も対応できます。また、塗装をていねいに施した製品には、納品時に高い評価をいただいています。

クランクシャフト

クランクシャフト

重機や船舶、自動車のエンジンや、産業機械のコンプレッサー、プレス機械など、あらゆるクランクシャフトの新規製作から修理再生をしています。
摩耗したジャーナル部は、自動肉盛り機及び溶射設備で肉盛りし、旋盤、研削盤、研磨機で荒加工、研磨と一貫生産体制で対応します。当社保有のクランクシャフト研削盤では、4mの大型のものまで加工が可能です。

シリンダーヘッド

シリンダーヘッド

シリンダーヘッドは、使用を続けると、熱の影響でヘッド面に歪みや腐食が発生し、バルブまわりは開閉の動きで摩耗・損傷します。まずは、亀裂がないか空圧検査を行い、打痕、歪みを検査します。ヘッド面の歪みはフライスでの面研磨を行い、バルブの沈みやガイドクリアランス不良はシートリング研摩及び交換で再生します。
大型で多気筒エンジンのシリンダーヘッドも得意としており、シリンダーヘッド単体での作業もいたします。

シリンダーブロック

シリンダーブロック

エンジンを構成する部品の中で、中心的な役割を果たすのがシリンダーブロックです。油膜切れや水漏れにより「焼き付き」や「抱き付き」などが起こり、傷ついたシリンダーブロックの内面をボーリング加工で改修します。傷がひどい場合には、内面・内径をオーバーサイズ加工。当社でスリーブを製作し、シリンダーブロックへ打ち換えして内面復旧をします。
また、クランクシャフトを取り付けるシリンダーブロックメインジャーナル部のラインボーリングも行います。この作業は、シリンダーブロックの軸受けにシャフトを通し、通常3カ所(2気筒)~7カ所(6気筒)ある軸受けの穴を1ラインとして削る作業です。メインジャーナルの芯ずれ点検、ハウジング内径寸法の計測、キャップ勘合部の隙間、亀裂の有無を確認します。
摩耗が多い場合は、溶接肉盛りし、メーカー指定の寸法に削って修正。大型バスや 船舶、トラック、建設車両、特殊車両、ガントリークレーン、発電機など小型から大型のものも対応可能です。

製鉄所インフラ整備

アクスルシャフト定期メンテナンス

アクスルシャフト定期メンテナンス

製鉄所の構内で鉄鋼製品を運搬する大型トレーラーの足回り部品である「アクスルシャフト」のトータルメンテナンスを行っています。お客さまの緊急事態に備えて、定期的なメンテナンスを提案、実施。軸の肉盛加工、ブレーキドラム・特殊ハブボルト製作、ドラムブレーキ張替、その他の細かい部品も製作し、社内一貫体制で対応いたします。

子部品ロット製作

子部品ロット製作

カラー、抜け止めプレート、各種焼き入れピンなどの量産品製作を行っています。長年、大型トレーラーの修理に携わった当社では、多くの子部品データの蓄積があります。そのノウハウとお客さまの要望を合わせ、使用感や安全対策を向上させた製品を設計し、製作します。
製鉄所内のトレーラーは365日稼働しているため、故障による車両ストップは大きな損害となります。故障予防はもちろん、故障した際には早い復旧ができるように部品の設計製作を行います。

各種保管 重荷重用棚

各種保管 重荷重用棚

工場専用の重量棚を製作しました。A社さまでは、大型トレーラー用のエンジンや足回り部品などの大型部品が平置きされてスペースが狭くなったため、市販の棚を検討。しかし、高重量品を置ける棚がなかったため、当社に依頼をいただきました。
各部品の寸法を測定し、強度計算を行って設計、製作した棚は、在庫をすべて収容でき、工場スペースを無駄なく活用することで、作業効率UPにもつながりました。

各種専用工具・治具製作

各種専用工具・治具製作

汎用工具で補えない、大型トレーラー用のベアリングやオイルシールなどの打ち込み、抜き取り治具を製作しています。
「大型の部品に見合う工具が見つからず、分解組立に時間がかかっている。専用の工具・治具を製作してほしい」と依頼をいただきました。対象の部品と関連部品を測定し、使用用途をヒアリングし、最適な工具・治具を製作。作業員の安全と作業効率UPにも貢献した製品と評価いただきました。以降、損傷による部品の交換・再製作、強度UPの対応など、定期的な依頼をいただいています。

構内設備保全

構内設備保全

当社では、社内一貫体制の強みを生かした「構内設備保全」を行っています。
大型の移動式門型クレーンの修理・メンテナンス、安全柵の製作や出張溶接作業、転轍機と呼ばれる線路の切り替えスイッチのオーバーホール、発電機などのパッケージからエンジンオーバーホールまで、365日稼働しているさまざまな設備を、社内一貫生産体制にて、トータルメンテナンス及び改造・改善いたします。

機械部品の修理

機械部品の修理

機械部品の修理

油圧シリンダーは、大型建設機械や船舶、車両など多くの現場で使用されています。その油圧シリンダーのパッキン交換などのオーバーホールから、シリンダーロッド腐食により再利用不可の際の首下付け替え及び再メッキ。純正品が廃盤となったパッキン・各種シールを、市販流通品へ交換するためのパッキンケース・ピストンの新規設計・製図・改良製作を行っています。
分解不可でお困りのお客さまからのご相談も多く、ゆるまないパッキンケースの削り取りなどを行うこともあります。その場合も、パッキンケースの新規製作も行うため、安心して依頼をいただいています。

航空機整備器材

Advanced Ground Systems Eng. corporation社製品サービスセンター

Advanced Ground Systems Eng. corporation社製品サービスセンター

2022年、Advanced Ground Systems Eng. corporation社(アメリカ)の サービスセンターとして、日本で唯一、契約を締結しました。AGSE社は、1973年に創業し、革新的な航空機地上支援器材およびツールの開発・製造を行う、世界をリードする企業です。当社の航空機地上支援器材の販売力及び保守メンテナンスの技術力が認められました。
AGSE社製の航空機地上支援器材及びツールの修理メンテナンスが可能となり、当社では、航空機エンジンを載せるエンジンスタンドの修理を実施しています。

GSE航空整備器材メンテンナンス

GSE航空整備器材メンテンナンス

当社製品であるトーバーやドーリー、整備作業台はもちろん、他社製品の器材も修理メンテナンスします。有資格者が磁気探傷検査(MT検査)、浸透探傷検査(PT検査)、部品の劣化や摩耗、動作・機能確認などの項目を検査。交換部品をお客さまに確認いただき、修理及びメンテナンスを行います。運搬が難しい大型製品は、出張作業も可能です。
当社は、多くのGSE航空整備器材を製作しているため、豊富な図面データやノウハウがあり、早期に修理方法を提案し、解決に導きます。

航空機ホイール

航空機ホイール

航空機ホイールのメンテナンスは、年間1000本を超えることもある、当社を代表する修理品目です。航空機ホイールの使用に伴う寸法不良箇所をオーバーサイズ加工し、社内で製作したブッシュを圧入後、再度正規の穴寸法へ加工します。
また、ブレーキ時に発生する高熱の伝導を防ぐ部品・ヒートシールドのトルクバーを取り付けるラグホールと呼ばれる穴の修理も行います。この加工は、穴が小さく加工箇所が狭いことと、ミクロン(μm)での寸法公差のため、非常に神経を使う作業です。

リバースエンジニアリング

リバースエンジニアリング

リバースエンジニアリング

製造年数が古くなった設備や機材、部品について「図面がなくて修理や製作依頼ができない」というお困りの声が多くあります。そうした声にお応えできるよう、当社は3Dスキャナー及び、長年培ってきた設計部門のスケッチ能力を活用し、リバースエンジニアリングに取り組んでいます。
中古部品の寸法を測定し、図面を起こして部品を製作。ただし、中古品は摩耗損傷があるため、そのまま寸法測定して製図をすると、寸法公差から外れ、製品として成り立たなくなる可能性があります。その場合、製作する部品だけでなく、関連する部品を全て測定し、公差を決めていく必要があります。その作業は非常に難しいものですが、当社が得意とする技術の一つです。

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