クランクシャフトは、モーターなどによる回転運動を往復運動に変換したり、またその逆にピストン機構による往復運動を回転運動に変換する機能を担っており、プレス機やポンプなど産業用機械では前者、船舶の駆動用や発電用のエンジンでは後者の機構が用いられています。
クランクシャフトは産業機械、舶用エンジンといった大型機器の安定稼働を支える心臓部と言えるでしょう。
クランクシャフトは、クランクピン、メインジャーナル、クランクアーム、カウンターウェイト等からなる機械部品です。
これらの加工には高い精度が求められ、動力源と緻密に組み合わされることで強力かつ安定した駆動(往復運動、回転運動)を生み出します。
クランクシャフトの加工精度がわずかでも下がると、エンジン全体の効率や耐久性に直結するため、その設計と製造は非常に繊細なプロセスを必要とします。
さらに、研削、研磨などの加工技術がこの高精度を可能にしています。
堀口エンジニアリングは、米国 GREASON 社より導入した 肉盛溶接機「ジャーナルマスター」および複数台の研削盤設備を有しており、これら設備と熟練の技を組み合わせ、摩耗、損傷したクランクシャフトを高精度で再生します。
★当社の修理のポイント
設備名称 |
用途 |
最大能力 |
型式 |
メーカー |
保有資格 |
CNC円筒研削盤 |
クランクシャフトテーパ部の研削 |
φ550×L2500 ㎜ 最大重量500kg |
GE6P-250Ⅱ |
JTECT |
国家資格 技能検定 円筒研削作業2級 1名 |
大型汎用クランクシャフト研削盤 |
中・大型の 産業用エンジンのクランクシャフト 機械プレス用のクランクシャフト |
長さL3340㎜ 振りφ1150㎜ 最大砥石径φ1220㎜ 最大重量1200Kg |
RTM575A/4100 |
BERCO(イタリア) |
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大型汎用クランクシャフト研削盤 |
中・大型の 産業用エンジンのクランクシャフト 機械プレス用のクランクシャフト |
長さL2420㎜ 振りφ1151㎜ 最大砥石径φ915㎜ 最大重量1200Kg |
RTM425A/3100 |
BERCO(イタリア) |
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中型汎用クランクシャフト研削盤 |
小・中型の 産業用エンジンのクランクシャフト 機械プレス用のクランクシャフト |
長さL1800㎜ 振りφ700㎜ 最大砥石径915㎜ 最大重量800Kg |
RTM351A/2400 |
BERCO(イタリア) |
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小型汎用クランクシャフト研削盤 |
乗用及びチューニングショップ向け自動車のクランクシャフト |
長さL950㎜ 振りφ420㎜ 最大砥石径φ560㎜ |
MG30 |
中島田鉄工所 |
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半NC旋盤 |
1次加工(基準加工) |
最大振りΦ 750 長さ L 2,000 |
DL-75 |
大日金属工業 |
国家資格 技能検定 普通旋盤 1級:3名、2級:1名 |
縦型マシニングセンター |
総削り出し製作(無垢材からの総削り出し加工) |
X軸1270㎜×Y軸650㎜ × Z軸650㎜ |
MV-65 |
DMG MORI |
国家資格 技能検定 マシニングセンタ1級 1名 |
横型マシニングセンター |
2次加工(油穴、キー溝等) |
X軸 1500㎜ Y軸 1200㎜ Z軸 700㎜ W軸 350㎜ |
KBT-11X |
DMG MORI |
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CAD/CAM |
3D形状加工 |
Topsolid |
コダマコーポレーション |
設備名称 |
用途 |
最大能力 |
型式 |
メーカー |
保有資格 |
クランクシャフト肉盛溶接機 |
軸部の肉盛り補修 |
Φ 914㎜ × L 3000㎜ |
ジャーナルマスタ M4 |
GREASON |
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粉末式溶射装置 |
オイルシール摺動部の補修 |
- |
CASTODYN DS 8000 |
ユテク ジャパン |
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金属熔融充填機「ピンホールインレイ」 |
軸部のピンホールや傷の補修 |
- |
ピンホールインレイ(R) |
トクシュ技研 |
設備名称 |
用途 |
最大能力 |
型式 |
メーカー |
保有資格 |
横型釣合い試験機「バランサー」 |
ダイナミックバランスによる調整 |
最大振り Φ800 最大重量 140kg |
FH-417GC |
明石製作所 |
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磁粉探傷装置据え置き型「MT」 |
表面に開口したきず、表面直下のきずの検査 |
Φ 500 × ℓ 2700 |
NQ-60T |
日本電磁測器 |
日本非破壊協会 磁粉探傷試験 レベル2:2人 レベル1:1人 |
磁粉探傷装置ハンディ型「MT」 |
表面に開口したきず、表面直下のきずの検査 |
- |
Um-3BF |
電子磁器工業 |
日本非破壊協会 磁粉探傷試験 レベル2:2人 レベル1:1人 |
染色浸透探傷「PT」 |
表面の割れ、ブローホールなどを検査 |
- |
エコチェック |
マークテック |
日本非破壊協会 浸透探傷試験 レベル2:3人 レベル1:1人 |
油圧プレス |
曲がり矯正 |
60tプレス |
- |
不明 |
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3Dスキャナー |
寸法測定、リバースエンジニアリング |
- |
MetraSCAN 3D |
CREAFORM |
その他の設備一覧↓
堀口エンジニアリングは、航空宇宙分野および防衛分野を対象としてISO9100認定を取得しています。
その他分野の品質管理体制もこれに準拠して整備確立していますので、クランクシャフト修理工程における品質管理も徹底しています。
また、品質保証に関しても、適切な作業マニュアルと管理された検査治具により、非破壊検査(入荷時、工程中、完成品)、寸法測定など、仕様やお客様のご要望に応じた品質を保証しております。
堀口エンジニアリングは、産業機械、建設機械、舶用エンジンなど、様々な分野で使用される大型クランクシャフトの修理実績を豊富に有しており、摩耗、焼き付き、ひび割れなど、様々な損傷への対応が可能です。
また、損傷の程度、修理内容によって期間は異なりますが、肉盛、研削・研磨仕上、付属加工、および検査まで当社成田工場内で完結する一貫対応で短納期での修理を可能にしています。
さらに、作業の効率化や設備の改善、工程の工夫などによる工期短縮のための社内の取組も継続的に進めており、よりお客様にご満足いただけるサービスの提供に努めています。
プレス機や大型ポンプなど産業機械の製作にあたってクランクシャフトの新作が必要な場合も、当社の豊富な実績と高度な加工技術がお役に立ちます。
堀口エンジニアリングでは、長年にわたる強固なパートナーシップによる、大型クランクシャフトの下処理から仕上げ(鍛造素材入手~粗引~焼入れ~研削・研磨、付属加工、検査)までの一貫製造体制も確立しており、新規製造にも豊富な実績と知見を有しています。
産業機械製作にあたってクランクシャフトの新規製造が必要な場合、ぜひ当社にご一報ください。
修理、製造共に小ロットにも十分対応できる独自の体制を整えておりますので、突発の修理は勿論のこと、新規製造〜定期メンテナンスといったお客様のニーズに合わせたビジネスモデルの構築も可能です。
1本あたり数100㎏~数tにもなる大型クランクシャフトには、高強度で耐摩耗性に優れた特殊鋼が使用されます。
例えば、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロムモリブデン鋼などです。
これらの鋼材が、大きな駆動力での使用に耐えうる強度と耐久性を備え、長期間にわたる安定稼働を支えています。
⇒当社の肉盛溶接工程(GREASON社製ジャーナルマスターを使用)では、これらの鋼種に合わせて適切な溶材を選択しており、さらに肉盛後は高周波焼き入れを実施していますので、それぞれの鋼種に求められる材料特性を十分に回復させたうえで精密な研削・研磨および付属加工を実施しています。
大型クランクシャフトの損傷は、複数の要因が複雑に絡み合って発生し、潤滑油の劣化・不足、過負荷運転、異物混入、経年劣化などが主な原因と言われます。
こうした様々なタイプの損傷に対して当社は豊富な修理経験を有していますので、現品の状態に合わせた修理プログラムを早急に設定し、これを成田工場内一貫体制による高精度な設備と熟練の技で一本一本丁寧かつ迅速に仕上げていきます。
クランクシャフトの損傷は、お客様にとっては緊急事態です。
当社では工場だけでなく営業部門にも知見の豊富な営業マンを擁し、迅速なお見積と納期回答できる体制を整えており、お客様の不安を早期に解消します。