2025.4.18

大型クランクシャフト(産業機械・建設機械・船舶向け)の修理・製造なら堀口エンジニアリングにお任せ!:精密機械の心臓部を迅速に蘇生します。

クランクシャフトの研磨作業

産業機械、建設機械、船舶の心臓部とも言える大型クランクシャフト。
その損傷は、操業の停止、莫大な損失に直結します。

高度な技術が求められる大型クランクシャフトの修理及び製造は、対応できる企業が国内でも非常に限られるニッチな領域です。

堀口エンジニアリング株式会社は、確かな技術と高精度の設備を擁し、大型クランクシャフトの修理及び製造分野においても、長年にわたりお客様から絶大な信頼をお寄せいただいています。

この記事では、大型クランクシャフトの修理及び製造に関する当社の取組を解説します。

大型クランクシャフト(産業機械・建設機械・船舶向け)の役割 

運動変換の要

クランクシャフトは、モーターなどによる回転運動を往復運動に変換したり、またその逆にピストン機構による往復運動を回転運動に変換する機能を担っており、プレス機やポンプなど産業用機械では前者、船舶の駆動用や発電用のエンジンでは後者の機構が用いられています。 

大型クランクシャフト

クランクシャフトは産業機械、舶用エンジンといった大型機器の安定稼働を支える心臓部と言えるでしょう。 

クランクシャフトの構造:クランクピン・ジャーナル・クランクアーム 

クランクシャフトは、クランクピン、メインジャーナル、クランクアーム、カウンターウェイト等からなる機械部品です。 

これらの加工には高い精度が求められ、動力源と緻密に組み合わされることで強力かつ安定した駆動(往復運動、回転運動)を生み出します。

クランクシャフトの加工精度がわずかでも下がると、エンジン全体の効率や耐久性に直結するため、その設計と製造は非常に繊細なプロセスを必要とします。

さらに、研削、研磨などの加工技術がこの高精度を可能にしています。 

各部位の詳細:クランクピン、ジャーナル、アーム、カウンターウェイト、油穴

  • クランクピン: ピストンロッドと接続し、ピストンの往復運動を受け止める部分。高強度が求められ、焼き付きや摩耗が起こりやすい箇所。 
  • メインジャーナル: クランクシャフトを支える軸受部分。回転運動をスムーズにする役割を担い、こちらも摩耗しやすい。 
  • クランクアーム: クランクピンとジャーナルを繋ぐ部分。回転バランスを保つために重要な役割を果たす。 
  • カウンターウェイト: クランクシャフトの回転バランスを調整するための錘。振動を抑制し、スムーズな回転に貢献。 
  • 油穴:摺動部に自動で給油するための油穴が設けられており、上記のように精密に構成された各部が円滑かつ確実に駆動するよう工夫されています。 

クランクシャフトの修理サービス:70年を超える実績と高性能な設備 

高性能な設備と熟練技術者:高品質修理の両輪 

堀口エンジニアリングは、米国 GREASON 社より導入した 肉盛溶接機「ジャーナルマスター」および複数台の研削盤設備を有しており、これら設備と熟練の技を組み合わせ、摩耗、損傷したクランクシャフトを高精度で再生します。 

ジャーナルマスタークランクシャフトの研削盤設備クランクシャフトの研削盤設備クランクシャフトの研削盤設備

★当社の修理のポイント

  • 高精度肉盛溶接:米国GREASON社製「ジャーナルマスター」を用いて適切な肉盛を行い、磨耗、損傷した部位を補修します。 
  • 高周波焼入れ: 肉盛り溶接後、高周波焼入れを施すことで、表面硬度を向上させ、耐摩耗性を強化。長寿命化に貢献。  
  • 高精度研削: 世界中で豊富な導入実績を持つイタリア製の研機を使用し、肉盛・焼入れ後のクランクシャフト表面を精密に研削・研磨。真円度、表面粗さを厳格に管理することで、クランクシャフトの回転精度を回復します。 
  • 動バランス修正: 回転時の振動を抑制するため、精密な動バランス修正を実施。クランクシャフトのスムーズな回転、安定稼働を実現。 
  • その他付属加工:各部の円滑な駆動のため、給油穴や肩部のRを精密に加工、再現します。 
  • 熟練技術者: 長年の経験と高度な技術を持つ熟練技術者が、一つ一つの工程を丁寧に実施。高品質な修理を実現。 

堀口エンジニアリングが保有するクランクシャフトの関連設備一覧 

工作機設備一覧

設備名称

用途

最大能力

型式

メーカー

保有資格

CNC円筒研削盤

クランクシャフトテーパ部の研削

φ550×L2500 ㎜

最大重量500kg

GE6P-250Ⅱ

JTECT

国家資格 技能検定 円筒研削作業2級 1名

大型汎用クランクシャフト研削盤

中・大型の

産業用エンジンのクランクシャフト

機械プレス用のクランクシャフト

長さL3340㎜ 

振りφ1150㎜

最大砥石径φ1220㎜

最大重量1200Kg

RTM575A/4100

BERCO(イタリア)

 

大型汎用クランクシャフト研削盤

 中・大型の

 産業用エンジンのクランクシャフト

 機械プレス用のクランクシャフト

長さL2420㎜ 

振りφ1151㎜

最大砥石径φ915㎜

最大重量1200Kg

RTM425A/3100

BERCO(イタリア)

 

中型汎用クランクシャフト研削盤

小・中型の

産業用エンジンのクランクシャフト

機械プレス用のクランクシャフト

長さL1800㎜ 

振りφ700㎜

最大砥石径915㎜

最大重量800Kg

RTM351A/2400

BERCO(イタリア)

 

小型汎用クランクシャフト研削盤

乗用及びチューニングショップ向け自動車のクランクシャフト

長さL950㎜ 

振りφ420㎜

最大砥石径φ560㎜

MG30

中島田鉄工所

 

半NC旋盤

1次加工(基準加工)

最大振りΦ 750

長さ L 2,000

DL-75

大日金属工業

国家資格 技能検定 普通旋盤 1級:3名、2級:1名

縦型マシニングセンター

総削り出し製作(無垢材からの総削り出し加工)

X軸1270㎜×Y軸650㎜ × Z軸650㎜

MV-65

DMG MORI

国家資格 技能検定 マシニングセンタ1級 1名

横型マシニングセンター

2次加工(油穴、キー溝等)

X軸 1500㎜ Y軸 1200㎜ Z軸 700㎜ W軸 350㎜

KBT-11X

DMG MORI

 

CAD/CAM

3D形状加工

 

Topsolid

コダマコーポレーション

 

溶接機設備一覧

設備名称

用途

最大能力

型式

メーカー

保有資格

クランクシャフト肉盛溶接機

軸部の肉盛り補修

Φ 914㎜ × L 3000㎜

ジャーナルマスタ  M4

GREASON

 

粉末式溶射装置

オイルシール摺動部の補修

-

CASTODYN DS 8000

ユテク ジャパン

 

金属熔融充填機「ピンホールインレイ」

軸部のピンホールや傷の補修

-

ピンホールインレイ(R)

トクシュ技研

 

その他設備一覧

設備名称

用途

最大能力

型式

メーカー

保有資格

横型釣合い試験機「バランサー」

ダイナミックバランスによる調整

最大振り Φ800 

最大重量 140kg

FH-417GC

明石製作所

 

磁粉探傷装置据え置き型「MT」

表面に開口したきず、表面直下のきずの検査

Φ 500 × ℓ 2700

NQ-60T

日本電磁測器

日本非破壊協会 磁粉探傷試験 レベル2:2人 レベル1:1人

磁粉探傷装置ハンディ型「MT」

表面に開口したきず、表面直下のきずの検査

-

Um-3BF

電子磁器工業

日本非破壊協会 磁粉探傷試験 レベル2:2人 レベル1:1人

染色浸透探傷「PT」

表面の割れ、ブローホールなどを検査

-

エコチェック

マークテック

日本非破壊協会 浸透探傷試験 レベル2:3人 レベル1:1人

油圧プレス

曲がり矯正

60tプレス

-

不明

 

3Dスキャナー

寸法測定、リバースエンジニアリング

-

MetraSCAN 3D

CREAFORM

 

その他の設備一覧↓ 

主要機械設備|企業情報|堀口エンジニアリング(株)  

万全のQCQA体制 

堀口エンジニアリングは、航空宇宙分野および防衛分野を対象としてISO9100認定を取得しています。

その他分野の品質管理体制もこれに準拠して整備確立していますので、クランクシャフト修理工程における品質管理も徹底しています。 

また、品質保証に関しても、適切な作業マニュアルと管理された検査治具により、非破壊検査(入荷時、工程中、完成品)、寸法測定など、仕様やお客様のご要望に応じた品質を保証しております。 

大型クランクシャフトの修理事例:豊富な修理実績と一貫体制~様々な損傷に迅速に対応 

クランクシャフト 修理

堀口エンジニアリングは、産業機械、建設機械、舶用エンジンなど、様々な分野で使用される大型クランクシャフトの修理実績を豊富に有しており、摩耗焼き付きひび割れなど、様々な損傷への対応が可能です。 

また、損傷の程度、修理内容によって期間は異なりますが、肉盛、研削・研磨仕上、付属加工、および検査まで当社成田工場内で完結する一貫対応で短納期での修理を可能にしています。 

さらに、作業の効率化や設備の改善、工程の工夫などによる工期短縮のための社内の取組も継続的に進めており、よりお客様にご満足いただけるサービスの提供に努めています。  

クランクシャフトの製造も可能!:パートナー企業との強固な分業体制を構築  

プレス機や大型ポンプなど産業機械の製作にあたってクランクシャフトの新作が必要な場合も、当社の豊富な実績と高度な加工技術がお役に立ちます。 

堀口エンジニアリングでは、長年にわたる強固なパートナーシップによる、大型クランクシャフトの下処理から仕上げ(鍛造素材入手~粗引~焼入れ~研削・研磨、付属加工、検査)までの一貫製造体制も確立しており、新規製造にも豊富な実績と知見を有しています。 

産業機械製作にあたってクランクシャフトの新規製造が必要な場合、ぜひ当社にご一報ください。 

修理、製造共に小ロットにも十分対応できる独自の体制を整えておりますので、突発の修理は勿論のこと、新規製造〜定期メンテナンスといったお客様のニーズに合わせたビジネスモデルの構築も可能です。   

参考:大型クランクシャフトに関する一般情報と堀口エンジニアリングの強み 

高強度素材:高負荷に耐える特殊鋼 

1本あたり数100㎏~数tにもなる大型クランクシャフトには、高強度で耐摩耗性に優れた特殊鋼が使用されます。

例えば、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロムモリブデン鋼などです。 

これらの鋼材が、大きな駆動力での使用に耐えうる強度と耐久性を備え、長期間にわたる安定稼働を支えています。 

⇒当社の肉盛溶接工程(GREASON社製ジャーナルマスターを使用)では、これらの鋼種に合わせて適切な溶材を選択しており、さらに肉盛後は高周波焼き入れを実施していますので、それぞれの鋼種に求められる材料特性を十分に回復させたうえで精密な研削・研磨および付属加工を実施しています。 

大型クランクシャフトの故障のメカニズム:多様な要因と複合的な影響 

大型クランクシャフトの損傷は、複数の要因が複雑に絡み合って発生し、潤滑油の劣化・不足、過負荷運転、異物混入、経年劣化などが主な原因と言われます。 

  • 潤滑油の劣化・不足: 潤滑油は、クランクシャフトの円滑な回転を維持し、摩擦、摩耗を軽減する役割。潤滑油の劣化や不足は、クランクピン、ジャーナルの摩耗を加速させ、焼き付きを引き起こす可能性も。 
  • 過負荷運転: 設計負荷を超える過負荷運転は、クランクシャフトに過大なストレスを与え、金属疲労、ひび割れ、破損の原因に。 
  • 異物混入: 潤滑油に異物が混入すると、クランクピン、ジャーナルを傷つけ、摩耗を促進。最悪の場合、焼き付きを引き起こすことも。 
  • 経年劣化: 長期間の使用により、材質の疲労、劣化が進行。強度、耐久性が低下し、故障リスクが増大。 

大型クランクシャフトの修理対応における堀口エンジニアリングの強み

現品の状態に合わせた修理プログラム

こうした様々なタイプの損傷に対して当社は豊富な修理経験を有していますので、現品の状態に合わせた修理プログラムを早急に設定し、これを成田工場内一貫体制による高精度な設備と熟練の技で一本一本丁寧かつ迅速に仕上げていきます。 

営業部門にも知見の豊富な営業マンを配置した緊急対応力

クランクシャフトの損傷は、お客様にとっては緊急事態です。
当社では工場だけでなく営業部門にも知見の豊富な営業マンを擁し、迅速なお見積と納期回答できる体制を整えており、お客様の不安を早期に解消します。 

 

まとめ:大型クランクシャフトの修理、製造は堀口エンジニアリングに安心してお任せください

大型クランクシャフトの修理や製造は、高度な技術と経験が求められる専門性の高い分野です。 

堀口エンジニアリングは、70年以上にわたる実績、高精度かつ高性能の設備、そして熟練の技術者により、高品質なサービスを提供しています。 

迅速な対応、お客様の早急な操業回復を第一に考えた提案で、お客様の信頼を得ています。 

大型クランクシャフトの修理、製造については、お気軽にご相談ください。