2024.1.15

生産ラインの安定稼働につながる減速機の「予防保全」をおすすめします

エンジンやモーターなどの動力源に長くかかわってきた当社では、減速機のメンテナンスについても、数多く手掛けています。
故障やトラブルの対応はもちろんですが、重要なポイントは、そうならないための「予防保全」です。

エネルギーの負荷がかかりやすい減速機

回転エネルギーを利用した装置の稼働には、エンジンやモーターなどの動力源から、回転数や回転力をそれぞれの装置に合わせるための「減速機」が必要になります。
動力から得る回転する力と装置側が稼働することにより生じる負荷で、減速機本体に負担がかかるため、定期的なメンテナンスが必要になります。
また、長年の使用や想定以上の負荷がかかった場合に故障することがあります。


プラントメンテナンスでは、減速機本体のオーバーホールとして、減速機の診断~分解~修理~組立~据付~試運転までを行います。
また、減速機の容量変更のご要望で、減速機本体の設計製作、それに伴い必要となるカップリングの変更・交換・製作などを行います。


一方で、鉄道、製鉄所、建設機械に関連する減速機の修理では、部品単位での摩耗部の修理として溶射・肉盛り及びライナー式への改造なども行っております。
・バンバリーミキサー・ニーダー・攪拌機 等
・鉄道のエンジンから車輪間
・建設機械のエンジンから油圧ポンプ間
・大型の門型クレーンのエンジンから車輪間

減速機の主な故障・トラブル例

異常振動

・ベアリング不良や、ハウジングの摩耗、芯ずれなどによる周期的な振動
・歯車の偏摩耗や破損による振動

異音

・ベアリング不良や歯車の偏摩耗による継続的な異音
・異物混入により歯車の破損などによる異音

オイル漏れ

・オイルシールの劣化によるオイル漏れ
・シャフトオイルシール部の摩耗によるオイル漏れ

スプライン摩耗

減速機出力軸及びスプロケットのスプライン摩耗

ベアリング 割れ高負荷によるベアリング割れ

トラブルや故障を防ぐための予防保全

当社がおすすめする「予防保全」は、減速機を分解せず、聴診棒と振動測定センサーで周波数を計測・解析し、精密診断を行ったうえで整備提案を行います。
故障をする前にメンテナンスを実施することで、予期せぬ稼働停止を防ぐことができ、装置の生産性を保つことができます。
また、部品破損などでは連鎖的に他の部分へのトラブルを巻き起こす可能性が高いため、余分なコストがかかる可能性あります。
これらのことから、トラブルや故障を事前に防ぎ、生産ラインの稼働を安定させるためにも予防保全をおすすめいたします。

安心の定期メンテナンス

減速機の定期メンテナンスは、脱着~診断~分解~オーバーホール・修理~組立~据付~試運転を一式で行います。
故障やトラブルが起きる前にご依頼いただくので、基本的には消耗部品の交換がほとんどですが、経年劣化による各部品の摩耗については、交換する部品をお客様と打ち合わせしながら作業を進めて行きます。

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減速機入れ替えのご提案

減速機に対して、許容トルクを超えた負荷がかかっている場合に、そのトルクに対応できるより大きな減速機への入れ替えなどが必要になります。

減速機の入れ替えとなる原因

減速機のアウトプット側である装置に一定の負荷あるいは、流動的な負荷がかかる場合では減速機の容量が変わってきます。
一定の動きの場合、減速機にかかる負荷を求めやすく、減速機の選定がしやすいですが、流動的に減速機へ負荷がかかる場合には、想定以上の負荷がかかってしまうこともあり、減速機の劣化を早める原因となります。
その場合には、状態を見極めて減速機の入れ替えをご提案いたします。

入れ替え方法

現状の装置を把握し、容量の大きな減速機へ入れ替えます。
その際には、動力源~減速機、減速機~装置間の力を伝達する役目を担うカップリングの交換が必要になります。
一方で、減速機の入れ替えのご依頼をいただいても、スペースが狭く、減速機自体のサイズアップができない場合には、既存の減速機のケースのまま、中身の歯車を変更し対応する、もしくは、減速機を丸ごと作り替えて対応するケースもあります。
減速機を丸ごと作り替える場合には、省スペース及び据付に際しての取り合いにも柔軟に対応できるため、非常におすすめです。
※カップリングの能力や劣化が原因で、装置や減速機から振動が発生してしまうことがあります。その際には、カップリングの交換・製作で対応いたします。

単体部品の対応となる減速機の修理

鉄道、製鉄所、建設機械や物流などの領域では主に、単体部品のご依頼をいただきます。
修理の依頼内容と対応は下記のとおりです。

・ケース修理(肉盛り補修、ライナー式へのオーバーサイズ加工・改造)

ケースの各種ベアリング・オイルシール部の摩耗修理のご依頼があります。
直接、肉盛り補修を行う方法と、ライナー式への改造でオーバーサイズ加工後ライナー圧入を行う方法があります。ライナー式への改造では、火入れせずに済むため、本体への熱によるダメージを減らすとともに、工期・コストを削減することが可能です。

ライナー等の新規製作

上記のライナー式への改造済みのものや、メーカー出荷時状態からライナー式となっているもののライナーを新規製作します。
※ライナーは、カラー、ブッシュ、スリーブと呼ばれることもあります。

シャフト修理(肉盛り補修)

大型の門型クレーンの減速機修理について、エンジンパワーとクレーン重量による負荷から、出力軸及びスプロケットのスプラインが激しく摩耗することがあります。
その場合には、シャフト・スプロケットを肉盛り修理後、スプライン加工を行い再生します。

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部品の出ない減速機のギア歯車の破損にお困りのお客様へ、応急処置の方法を提案するとともに、現品スケッチを行って復旧し、後日スケッチを元にギアを新規製作、入れ替え作業を行った実績もあります。
メーカーが事業撤退したバンバリーミキサーのメンテナンス (horiguchi-engi.jp)

NUC様減速機の中

まとめ

減速機は、モーターやエンジンなどの動力を介して装置を稼働させる機構のものにはほぼ使用されるため、対象の装置にはさまざまな種類があります。
修理やトラブルなどの対応はもちろん行いますが、故障をする前にメンテナンスを実施することで、予期せぬ稼働停止を防ぎ、余分な部品破損による修理コストが抑えられるメリットがあります。
「予防保全」の重要性をぜひ認識いただき、ご検討ください。
減速機一式でのご依頼、または分解後の単体部品の修理・改造のご依頼がありましたら、ぜひご相談ください。