細管末端とプラグのテーパー部を接触させ、チューブを変形させながらプラグと細管を密着させて栓をする工法です。
デメリットは、チューブが変形することです。チューブシート(※1)と呼ばれる細管を支持・固定するためのシートに負荷がかかり、損傷する可能性もあります。
また、この工法は、圧力が低いものにしか対応できず、施工後に細管末端が変形してしまうことから、取り外したあと再度施工することができません。
止栓後の強度についても、正確な強度を保つことが困難です。
※1 チューブシートとは、細管を支持・固定するシートで、細管が通る穴が空いています。
細管とプラグを溶接し、栓をする工法です。
細管への溶接作業は非常に繊細で、溶接欠陥が起こりやすく、対象ユニットの運転再開後に、作業箇所付近に割れが発生する可能性があります。
溶接欠陥が起こらないよう、溶接作業をする際には予熱・後熱を行い、作業後には非破壊検査を実施する必要があるため、作業工数が多くかかります。
また、作業スペースの制約で溶接の機材搬入が困難な場合や、作業場所での火気使用の申請に時間がかかるなど、スムーズに実作業へ移れないことがあります。
「POP-A-PLUG」は、上記で紹介した従来の作業方法よりも簡単で作業時間が短く、熱交換器本体を傷つけない施工が可能です。
「POP-A-PLUG」は、テーパーピン、リング及びブレイクアウェイと呼ばれる部品で構成されています。
テーパーピンにはメスネジ、ブレイクアウェイにはオスネジが切ってあり、ブレイクアウェイ側を専用工具に装着します。
専用工具のポンプを作動させることで、テーパーピンが手前に引かれる形となり、テーパー形状がリングを広げ、細管へ密着し止栓します。
作業時間は10分程度ですので、溶接プラグの工法で1個にかかる時間で、7~10個のプラグを取り付けることが可能です。
また、従来の作業工法では、細管末端にしか施工できませんが、チューブシート内の拡管範囲であれば、細管末端の腐食部をかわして細管の奥の方へ施工することも可能です。
・CURTISS-WRIGHT社 EST Group (米国)国内販売代理店契約
「POP-A-PLUG」施工方法を動画で紹介します。