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ご依頼に応じた「オリジナル仕様トーバー」について〜知ってる?ホリグチの仕事 vol.1〜

トーバーとは

トーバーは、トーイングカーと呼ばれる、航空機をけん引するための特殊車両と航空機を連結させるもので、機体の動力を使わずに空港内を移動する時に使用する地上支援器材の一つです。機構としては、過負荷が掛かった場合、航空機にダメージがいかないように工夫されています。
また、航空機メーカー推奨の海外メーカー品のトーバーでは、使い勝手や、アフターサービスの対応など難しい部分があり、どのように導入検討を進めるのが良いか、ここで解説します。

尚、航空機の牽引にはトーバーを使用しない方法もあります。トーバーレス・トーイングカーと呼ばれる車両により、航空機前輪を車両後部で抱え込むように直接牽引されます。

トーバーを使用した場合の牽引速度は15km/hですが、トーバーレスでは30km/hまで出すことが可能です。
しかし、トーバーレスは航空機の接続・解放には時間がかかるため、目的に応じて使い分けがなされます。

よくあるトーバー導入時の課題

以下のような課題が発生することが多く、当社では、用途やお客様の要望に合わせたオリジナルトーバーを製作しています。

  1. トーバーの購入は、航空機メーカー推奨のトーバーがありますが、操作性やスペックが適切でない場合がある
  2.  航空機メーカー推奨のトーバーは海外製品ということもあり、外国人の体型、力を想定され製作されているため、日本人スタッフは非常に使いづらいという意見がある

トーバー選定のポイント

考えられた重量バランス

トーバーは、タイヤを支点に片端を持ち航空機及びトーイングカーに装着するため、容易に操作できる重量バランスの取れた設計が重要です。

シャーボルトの手配が容易にできるメーカーであるか

シャーボルトは、機体に対してダメージを与えないようにする安全装置として作用します。
そのため、新たに手配する際、納品まで時間がかかってしまうと、トーバーの使用ができなくなってしまう可能性があります。

堀口オリジナルトーバーの場合

輸送に配慮した、分割可能なトーバーの開発

基本的にトーバーは、パイプ又は角パイプの1本ものであることが多いのですが、5m超のトーバーは輸送しにくいため、分割できるトーバーを自社開発した実績があります。

輸送時のタイヤの検討

航空機で各空港に輸送する際に、空気入りタイヤでは気圧の変化でタイヤが破裂してしまう危険性もあるため、ノーパンクタイヤへ仕様変更も検討されることが多いです。

空港内路面をいたわった部品選び

他社製品ではトーバーの両端に、スキッドと呼ばれる鉄板が溶接されているため、万が一トーバーがトーイングトラクターから外れてしまった場合など、路面を傷つける恐れがあります。
当社のトーバーでは、キャスタータイプを採用しており、路面との接触があった場合に路面が傷つくのを防止します。(お客様の要望で、スキッド仕様のトーバーも製作致します。)

安全対策の為のホイールチョーク

強風などで煽られても動かないように、ホイールチョークを搭載しており、専用のホルダーやチェーンを使用することで、安全対策、紛失防止も考えて製作しています。

広い空港内での視認性を高める工夫

お客様のご希望に合わせた色に塗装致します。
空港には、各航空会社が在籍しており、会社ごとにトーバーを保有しているため、混同しないように、一目見て見分ける必要があります。
また、マーキングステッカーも貼り付けているため、どの機種が引けるトーバーなのか、遠くから判断できます。

空港近くに工場を保有する当社だから可能なアフターサービス

当社トーバーは成田・羽田空港に在籍する航空会社様に製品を納入し、お客さまにより全国各地へ輸送されます。そのため、空港近辺に工場を有することで修理が必要な際にも迅速な対応が可能です。

以上は一例ですが、使用・保管方法やそれに合わせたカスタマイズなど、必要な検討事項を考慮した計画・製作・納品をいたします。

ご参考)トーバー納入実績

名称

納入実績(2023年3月時点)

B737 TOWBAR

218本

B777/B767/A340  TOWBAR

153本

B747 TOWBAR

99

B787 TOWBAR

76本

A320 TOWBAR

38本

DC10/B767 TOWBAR(軽量)

31

B767/B777/DC10 TOWBAR

22本

B767/B777/B787 TOWBAR

7本

※防衛省向けの納入実績は上記に含めておりません。