当社では、多業種のプラントメンテナンスや改造工事を手掛けています。
そうしたお客様からさまざまな相談をいただく中で、圧倒的に多いのは「構造物の腐食や劣化に簡単に対応できないか」というものです。
今回、その解決策として、「塗装のような新素材」の塗着技術による「補強工法」という新しいカテゴリーをご紹介します。
構造物の作り替えや、プラントの稼働を止める必要がなく、現状の操業を維持したまま改修できる画期的な技術です。
これは、株式会社染めQテクノロジィ様が開発したもので、当社は販売代理店となります。お困りの現場に長年対峙してきた当社ならではの経験を生かし、それぞれの現場にあったご提案をさせていただきます。
ここでは、この「塗装のような新素材」による「補強工法」のすぐれた点について、紹介します。
トイレットペーパーの芯に「補強工法」を施工したサンプルの動画をご覧ください。
いかがでしょうか。
柔らかいはずのトイレットペーパーの芯は、強度が増しています。
新素材の表面処理効果で、劣化した対象物の内部へ浸透して一体化し、補修と共に補強をします。塗膜の強度は、コンクリートの20倍になります。
さらに密着性に優れており、曲げの力にも強いことがわかります。
この密着性により、塗装の最大の難関であるケレン作業と呼ばれる下地処理が簡易に施工できるという強みもあります。
塗装の粒子をナノ分子化し、独自の密着技術を施すことで、長期間、剥がれにくくなります。さらに、ケレン作業の容易化と、さまざまな材質・状態への塗着を可能とします。
また、表面をナノレベルの分子で覆って空気を遮断するため、錆の進行を止める効果もあります。
「補強工法」について強度試験を行ったデータをご紹介します。
テスト条件;住宅の屋根などに使用されるストレート材
JIS A5430 曲げ試験機を使用
施工条件:1mm膜厚
曲げ破壊荷重
未塗装ストレート材・・・758N、845N
補強工法を施工したストレート材・・・1802N
この試験結果から、施工後のストレート材の強度は2.37倍となりました。
塩水噴霧試験を 6000 時間行い、防錆剤の効果を実証したところ、一般的な塗料と比べて 補強工法」防錆塗料は、ほぼ錆のない状態でした。
前述したナノ密着技術により、強力な密着によって高い防錆効果が得られます。
鉄はもちろん、アルミ、ステンレス、溶融亜鉛メッキなどさまざまな素材に施工ができます。
また、これまで難しかった塗装環境においても柔軟に対応できます。
・錆による腐食で欠損している箇所
・最低気温-10℃でも施工可能。※諸条件あり
・湿度90%でも施工可能 ※諸条件あり
・水分があっても除去することなく施工可能 ※諸条件あり
→岸壁・橋・などの水辺の作業も可能です。
「補強工法」は、施工前に行う下地処理の区分が、3種ケレンとなります。
この3種ケレンというのは、ワイヤーブラシやサンドペーパーで軽く表面をきれいにする程度の作業です。
一般的な塗料では、
1種ケレン作業→下塗り→中塗り→上塗り
と、4工程が必要ですが、
「補強工法」では、
3種ケレン作業→補強工法の塗着→上塗り
と、3工程で完了。塗料とローラーのみで施工するため、機材の搬入も必要ありません。
対象物の状態を把握し、最適な膜厚管理を行うことで、適切な強度を発揮します。
こうしたケレン作業の最小限化とプライマーレスで工期短縮を実現します。
ケレン区分表
1種ケレン |
高圧力の研磨剤や剥離剤を使ったブラスト法 |
2種ケレン |
ディスクサンダー、ワイヤーホール、パワーブラシなどの電動工具 |
3種ケレン |
ディスクサンダー、ワイヤーブラシ、ケレン棒、スクレーパー |
4種ケレン |
紙やすり、サンドペーパー、研磨スポンジ |
今回ご紹介した「塗装のような新素材」による「補強工法」は、産業廃棄物を出さずに補修・補強を可能とするため、SDGsの観点からも環境に配慮した工法です。
また「ナノ密着技術」により、長期にわたって塗装剥がれを起こしにくいため、メンテナンスの頻度をおさえ、コスト削減にもつながります。
劣化した施設や設備の建て替えや部分的な補強を検討される案件で、工事期間やコストなどの条件で改修に踏み切れないお客様、ぜひ、この「補強工法」をご検討ください。錆などの劣化の状態に合わせた最適な施工プランをご提案します。
また、写真と面積がわかるデータ(できれば図面)をいただければ、速やかに概算見積を提出いたします。お問い合わせをお待ちしています。